カンボジアのおまじない 第二弾
- 2009.07.29 Wednesday
- 14:00
旦那さんの実家に泊まっている時、
腰の辺りに謎のブツブツができたことがあります。
最初は小さかったのが、どんどん広がっていって、
腰や片側のお尻全体にニキビのようなデキモノができ、
すごく痒いし、すごく痛かったです。
旦那さんはそれをみて、
「あぁ、これは〇〇かな」と言いました。
そのとき、〇〇の部分のカンボジア語が
私には理解できませんでした。
旦那さんは私を家族のところに連れていき、
そのデキモノをみんなに見せました。
するとみんなも「これは〇〇でしょ」とか、
「うん、これは〇〇だね」とか言います。
いったいなんなのー!?って感じでした。
〇〇、ってみんなはそのデキモノの
病気(?)の名前を言ってたわけですが、
私には分かりませんので。
「虫とか、何かに刺されたの?」と聞くと、
「違う、これは自分自身の中からできるんだよ」と言います。
じゃあ何か病気ってことか・・・?
私が「病院行った方がいいかな?」と言うと、
みんなは「これはクルーのところへ行かなきゃ」と言います。
「クルー」というのは、カンボジア語で、「先生」の意味です。
日本語と同じで、「クルー」は、病院の先生、学校の先生など、
色んな職業に対して使います。
「クルー(先生)ボングリエン(教える)」は「教師」、
「クルー(先生)ペート(病院)」は「医者」です。
この時みんながクルーと言うので、
私は病院の先生じゃないのか?と思い、
「クルーって、クルーペートじゃないの?」と聞くと、
違うと言います。
ともかく旦那さんに連れられ、
私はクルーのところへ行きましたが、
そこは普通の民家で、病院ではないし、
クルーもただのおじさんでした(笑)
この人がクルー?何クルー?って感じでしたが、
旦那さんが私のことをクルーに説明してくれ、
クルーの施術が始まりました。
※カンボジアには「マルゥ」と呼ばれるものがあり、
これはよくお年寄りがモゴモゴ食べています。
それを噛むと唾液が真っ赤になります。
他のアジアの国にもあるらしいですが、
これ何か意味があって食べてるの?と聞くと、
「おいしいから」とか、「口寂しいから」と言います。
前にミャンマーの本を読んだ時、
ミャンマーではみんな体にいいと思って
食べていると書かれていました。
緑の葉っぱに、白い粉を挟み、茶色の物体をのせ、
葉をくるくるまいて、食べます。
白い粉は貝の殻で、茶色の物体は果実の種だそうです。
カンボジアでは、これを日本のガム感覚で(?)
食べるし、まじないをする時にも使います。
クルーがこのマルゥを口に入れ、
私を座らせて、胸の前で手を合わせて、
と言いました。
そして何かブツブツ唱え始めたので、私はやっと、
「クルーってまじない師のことかぁ!?」と気づきました。
クルーは、私の背中へと思いっ切り息を吹きかけ、
噛んだマルゥを飛ばしました。
まじないではこのように、
マルゥ+息を思い切り飛ばしますが、
息を吹きかけるなんて優しい感じじゃなくて、
「ブーッッッ!ブーッッッ!」とすごい勢いです。
正直、正直に言って、私は
「これで治るのだろうか・・・?」と思いましたけど、
みんながみんな、
「この病気は病院に行かないでクルーに治してもらうんだよ」と、
当たり前のように言うから、病院に行きたいと言いづらくて。
しかし、2日通っても私のデキモノはよくならず、
クルーの家族と私の旦那さんはおかしいねぇと話してました。
通常だと、すぐによくなるそうです。
私は、「もしかして私が半信半疑なせいかな・・・」
と内心思ってました。
全然信じてないわけじゃないけど、
カンボジア人の「信じてる」とはレベルが違います。
そして、クルーのお母さんは、
「相性がよくないのかもしれないよ。相性が悪いと治らないよ」
と言いました。
クルーの家族と旦那は、
「外国人だから相性合うもなにも・・・合わないでしょ!」
と笑ってましたが、
ともかく私はクルーを変えることになりました。
次に行ったのは、
またもや普通の家の普通のおじさんでした。
職業は警察官。
このクルーも、前のクルーと同じように
施術を私にしてくれましたが、
一つ違っていたのは、
前のクルーが背中全体に息を吹きかけたのに対して、
今度のクルーはデキモノができている
私の腰あたりにむかって息を吹きかけたことです。
と言っても、服は着ているので、
マルゥが直接デキモノに触れるわけじゃないんですけど。
するとどうでしょう!!
なんとその日の夜には、デキモノの一部が完全に乾燥して、
痕だけになっているではありませんか!
びっくりしました。
全然信じてないわけじゃないけど、
だってまじないで治るなんてそんなねぇ!?笑
旦那さんや旦那さんの家族は、
これっぽっちも驚くことはなく、
「あぁ、今回はクルーと相性がいいんだね。すぐ治るよ」
と言いました。
その言葉通り3日間通っただけで、
デキモノ全体が乾燥して、
皮が少しボロボロしてるだけで、
痒みも痛みもなくなり、治りました。
実際に体験しておいてなんだけど、
不思議でなりません。
もしかしたら、ほっといても治るようなデキモノで、
偶然治っただけかもしれないけど。
こんなこと言うと旦那さんは気分を悪くしてしまいます。
こういうクルーというのは、
別にそれを仕事にしてるわけじゃないし、
看板なんてものはないけど、
有名なので近くに住む人なら誰でも知っているそう。
施術代はというと、
お坊さんにお布施を渡すのと同じように、
金額は自分で決めるんだそうです。
お金がなければ払わなくてもいいらしい。
クルーが自分でお金を請求するなんてことは決してなくて、
そういうことすると「力」が弱まっちゃうんだって、
何かいい話ですね。
ちなみに、旦那さんはお礼として5$渡しました。
「少ないかな?」と私は言ったけど、
旦那さんは「多いよ」と言ってました。
でも私は外国人だしなぁって思うけど、
どうなんでしょう。